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ジュリアード音楽院声楽オーディション 総括 [コンクール・オーディション]

記憶と考え事は新鮮なうちに書き記すべし。


さて、先日行われました第二回ジュリアード音楽院声楽オーディションby IFACをここで一通り振り返ってみたい。詳細を明らかにするのはもしかしたら好まれないかもしれないが、透明性を特に重視しているオーディションだと感じて好感をもてたので、なんらやましいことはないと思って素直につづる。
自分の大切な記憶を残しておくため、そして、これが来年受ける人たちの参考になればと思って。(参考にならなかったらごめんなさい。いつでも質問どうぞ)


まず、6月中旬くらいにIFACのホームページ上でオーディションの募集が知らされる。すぐに電話して要項を手に入れる。
用意する曲は6曲。以下、今回私が選んだ曲
(1)18世紀もしくはそれ以前のイタリア芸術歌曲もしくはイタリア・アリア・・・・A.スカルラッティ作曲オペラ「IL MITRIDATE EUPATORE」よりDolce stimolo al tuo bel core
(2)英語の芸術歌曲(英語に訳されたものは不可・・・C.G.Spross作曲 Let All My Life Be Music
(3)3番目の選択曲(どの言語でもよい)・・・J.マスネ作曲 オペラ「マノン」より 私が女王のように街を歩くと
(4)オペラあるいはオラトリオからのアリア・・C.F.グノー作曲オペラ「ロメオとジュリエット」より 神様!悪寒が血管を走ります 
(5)ドイツ歌曲・・・E.A.コルンゴルド作曲 3つの歌から 3, あらゆるものは静かに寝静まり
(6)フランス歌曲・・・C.ドビュッシー作曲 出現

○予選:2010年7月26日、及び27日@浜離宮朝日ホール とても響くお風呂みたいなホール。
一般公開(無料)控え室あり、発声、直前練習もさせてくれる。スタッフさんがたくさんいてびっくりする。

出場者は18人と、当初私が予想していた人数よりはるかに少なくて驚いた。無料で、年齢制限もなく、しかも資金援助もあって有名なジュリアード音楽院に行けるという夢のような話に、全国から集まるのではないかと思ったのだ。今回は第2回ということもあり、あまり認知されていないのだろうか・・?
私の出演順は4番目、時間通りに進む。受付のときに本日歌いたい曲を2曲提出するように言われる。(今回は自分で選べた。)
自分の出番のあとは、他の出演者の歌も聞いた。いろんな曲があってとても面白かった。2日目も聴きに行った。中村洋美さんの声がとても印象的だった。

テレビ放映されるということで本番終了後にインタビューを受ける。インタビュアーをみるべきか、カメラを見るべきかよくわからず視線が泳いだ・・・・。何をしゃべったかあんまり覚えていない。

○本選 ワークショップ:2010年10月4日、5日14:00~17:30 
ジュリアード第一次入学試験:5日夜22時~@トッパンホール
どちらも一般公開(無料)

ワークショップはジュリアード音楽院声楽部長のブライアン・ジーガーさん直々の公開レッスンであった。
本選に進んだのは10人、4日と5日に5人ずつが30分の公開レッスンを受ける。
公開レッスンは3人続けて行った後、1時間休憩が入り、2人が受ける。当日受ける人たちはまず全員13:30に集合し一番前の方で最初からレッスンを観る。どうしても舞台上にいる出演者の緊張を感じてしまうのでこれは相当精神的に疲弊する。

公開レッスンは一般の観客も入り(ホール前方の椅子はほぼ埋め尽くされていたような気がする。後方は審査員4,5人)予想以上の人の入りと物々しい雰囲気に追い討ちをかけるように、一人ずつ呼び出され、カメラの前でインタビューを受けて支離滅裂、心臓と胃が縮こまるのを感じた。

私は出演順において幸運に恵まれたと言っていいだろう。4日の4番目が私の出番。(4続き!!)3人のレッスンを見て一時間の休憩のすぐあとの出番だから、対策も練れるし、少し気分転換ができる。そして何より、5日の夜の第一次試験に進んだ場合、精神的・肉体的疲労をあまり受けずに集中して臨むことができる!

ワークショップスタート!
一人2~3曲ほど歌う。まず一曲は自分で選んだ曲を歌う。その後だいたいその曲を中心にレッスンがあり、その後、選んだ曲とタイプが違う曲を歌うよう言われたり、指定されたり、自分で選んだり様々。アリアを歌う人、英語の歌曲を歌う人いろんな曲があって面白かった。
ブライアンさんの話した後に通訳さんが全部訳してくださるから、何を言っているかわからない、という心配はない。(観客に向けてという意味もある。)このとき、受験者が英語がわかるかどうかもさりげなくチェックしている様子だった・・・気がする・・・。それから、指導されたことを理解してすぐに前の歌い方から変えられる勇気とチャレンジ精神は必要だと思う。

ブライアンさんが強調した点、私の印象に残っているメッセージを挙げておく。

・ジュリアードのオーディションは、歌い手のパーソナリティを一番重要視している。
・音楽を通して社会と関わること、舞台では観客といかにつながるかということを考えられる人を育てたい。
・自分から表現や声を出そう出そうとするばかりではなく、曲を信じて、ピアノ伴奏を信じて、そこから自然にあふれてくる音楽を有効に使うこと。
・観客に向けて大声で自分をアピールすることだけでなく、静かに自分の世界にひきつけることも考えること。
・曲の中にどんなコントラストがあるのかを探す。(情熱と諦め、夢と現実のような)
・家で練習しているときから大きなホールをイメージして練習すること。
・ホールの最後列まで子音がはっきり聞こえるように発音するようにして、言葉の持つエネルギーを送ること。

私は気負いや緊張で力んでしまうクセがあるため、「自分の曲を信じてもっとリラックスしなさい。曲が表現を助けてくれるんだよ。」というメッセージが今回の大きな収穫だった。

5日のワークショップの30分後、夜の第一次試験に進める人が発表された。

光栄なことに、予選で注目していた中村さんと私の二人が選ばれた。


○夜の第一次試験5日PM10:00~
どうしてこんなに夜遅く試験をするのかというと、ニューヨークと衛星放送でつないでジュリアードの講師陣たちも審査するためである。日本の22時はニューヨークの9時くらいであろうか。朝歌うことにならなくてよかったと心底思った。
21時半に開場し、受験者二人で同じ控え室を使い着替えと声出しをすませる。(結構バタバタ)
私の順番は2番目だった。

舞台上に出て、ブライアンさんから指定された曲を歌う。

私はワークショップで歌曲ばかりを歌ったので、アリアが当たるだろうと予想していたのだが・・・・1、ドイツリート、2、フランス歌曲、3、英語の歌曲と指定されて、「えぇ~、アリア聴いてもらえないの?」と焦ったが、英語のあとに「マノン」を指示され、結局4曲歌うことになった。はっきり言って疲れた・・・・。

その後、特に審査時間に時間をとったわけでもなく、わりとすぐに舞台上に表彰式の準備がなされ、「それではただいまより発表します。」のアナウンスもなく、副学長のリッカルドさんから本当にあっけなく、さらりと、私の通過が伝えられた。

あまりにもあっけなかったので英語を聞き間違えたのだと思った。

そして、半田会長の30分に及ぶ盛大なスピーチのあとで、閉幕した。


と、概要はこんな感じであった。

ジュリアードオーディションは、いたるところでその「平等の国アメリカ」の存在をアピールしていたように思う。
第一に、時間に非常に正確であること。ブライアンさんの公開レッスンは必ず30分で終わっていたし(最後だけ「もうちょっと言わせて」と伸びてはいたが必ず30分で延長の断りをいれていた。)開始時間も休憩時間もずれることなく予定時間通りだった。
第二に、審査方法がとてもクリアでクリーンあること。他のコンクールは予選は非公開にすることも多いが、今回、予選もワークショップも夜の一次試験も全て一般公開していて透明性を保とうとしている様子が感じられた。
第三に、このオーディションの目的やモットーがとてもはっきりと示されていて、どの場面でもそれを主張し一貫していたこと。

受験者として、とても環境の整ったオーディションだったと思う。

こんな面白い(日本で行っているものとは違うという意味での)オーディションの中で、個人的に収穫も多くあった上に、最終的に最優秀賞までいただけて感無量である。

出演順番や日程、体調や選曲など、いろいろと幸運が重なってとれた賞だと思う。
それから、私が今ついている先生が外国人だったという点も大きく関係していると思う。(レッスンはいつも英語かイタリア語だし、感覚的にもきっと日本人とは違ったものをなにかしら受け取っているはずだから)


私は、今までのコンクールや大きな入学試験で、実力不足はもちろんのこと直前に体調を崩したり、準備が足りなくて大きなミスをしたり、なかなか良い結果に恵まれなかった。その時は、大粒の涙を流したり、自分を責めたり、自信を失くしたり、歌で生きていきたいという夢がかすみかけたりもしたけれど、今回は過去の経験から学んだことを全部生かして体調管理や勉強や準備に細心の注意をはらって本番に臨むことができたと思う。


「過去の失敗が未来の成功につながる」ということを微量ながら身をもって感じることができてよかった。

失敗がなければ、このオーディションを受けることはなかったかもしれない。
失敗したから、あらゆる突然の出来事を予想して準備して、運をつかめたのかもしれない。

過去にありがと。


いやしかし、まだまだ始まったばかり。3月にある二次試験も英語もなんとか合格しなくては。

私の恩師Marcella Realeの講評は・・・
「ワークショップでのあなたの第一声は最悪だった。私の生徒じゃないと思った。そのあとはリラックスできてyくなったけど、焦ったわ」(はいぃぃ!!!えらいすいません。。。)
「あなたのマノン、あんなに役と言葉と音楽がぴったりあったのは初めてみたわ」(いままで演技、色気、発音、発声などなどいったい何回注意されたことか・・・。一番苦手だったマノンが一番よかったと言われて、奇跡が起こったんだと思った。神様ありがとう。)
「歌とピアノがとてもいい雰囲気をかもし出していた。」(今回ピアニストはいつもレッスンで伴奏ピアニストとしてきてくださっている先生にお願いした。ピアノに安心して身をまかせられた。ブライアンにも伴奏とのコンビネーションがいいと言われて心小躍り。)
「英語をもっと勉強しないと。」(はい、仰るとおりでやんす。)
「レパートリーを増やさないと。」(いかにも)
etc....(がんばります。)




私の敬愛する近藤 譲先生からのメッセージ
「あなたは、多分、あなた自身の人生として、最も険しい途を選択したのです。・・・しかしそれは険しくとも、大いに生き甲斐となるはずです。・・・これからも初心を忘れず、謙虚に、一生懸命に、しかし、無理をしないで、精進して下さい。」

私の周りには、たくさんの尊敬できる素晴らしい方々がいてくださることを、今一度感謝します。


未来はやっぱり怖いけど、最善を尽くします。


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